昔はどんな小さな町にも名画座が在ったように、東京郊外・国立の町にも、国立スカラ座というそれが在った。
私は、小学生の時、国立スカラ座には、一度だけ入った事がある。
学校の夏休みの課題として「鯉のいる村」という、宇野重吉さん主演の文化映画を観に行く事が出されたからである。
以来、国立スカラ座は素通りするだけになってしまったが、中学に入ってから高校卒業までの六年間、私は必ず、学校帰りにどこかの喫茶店に寄るのをならいとしていたので、国立スカラ座にも併設の喫茶部がある事を思い出し、しばしば、喫茶部には、足を運び入れていた。
内装は、焦げ茶色の木造りで、昼間でも薄暗く、カウンター中心の横長の店だった。
店の奥には、洋画のパンフレットが雪崩れていた。
私はいつもカウンターの真ん中に陣取り、ブラックコーヒーを所望した。
そして、カウンター中央の一段高い所にある 山と盛られた食べ放題の塩茹でのジャガイモを、二つばかり頬張るのだった。
今思い返すと、フードメニューがあまりない喫茶店で、ジャガイモ食べ放題とは面白いシステムなのだが、食べ盛りの当時の私は、何の疑問も抱かずに、ペロペロと皮を剥き、小腹を満たしていた。
その喫茶店も本体の国立スカラ座も、もうとうになくなってしまった。
名画座も喫茶店も、哀しいかな、絶滅の一途を辿るばかりである。
この記事へのコメント
我流麺童
kinkin
半世紀以上やっているお店ですね・・・
(マスターは代替わりしているでしょうが)
よいこ
侘び助
それは・・・沢山食べられなくなった我が胃袋~~
飯は‣小盛に~ 残した副菜もこっそり~持ち帰りを
(可能なものだけでやすよ~(^_-)-☆)
扶侶夢
溺愛猫的女人
ジャガイモ食べ放題なんてステキなサービスですね♡
hana2023
洋画、邦画と、ジャンルも問わず見まくっていました。
喫茶店へ最も行っていたのは、東京での学生時代、学校へは行かなくても何時もの店には行く生活。アイスココアを飲んだのも、その店でした♪
それが今や、名画座も喫茶店も遠いものとなってしまいましたね。
Boss365
喫茶店で「ジャガイモ食べ放題とは面白いシステム」で珍しいですね。オーナーが「北海道出身?」と一瞬考えてしまいました。名画座の喫茶店の思い出はないですが、学生時代に通った今はない「目黒シネマ」土曜日や祝日前夜はオールナイトなので、夜な夜な入浸ていました。懐かしい佳い時代でした!?(=^・ェ・^=)
英ちゃん
昔は府中にも小さい映画館が3軒あったんだよね。
今も1軒あるらしいけど行った事がありません(^▽^;)
まぁ、昔は映画館に行ってた頃は新宿まで行ってたな(;^ω^)
たいちさん
ファルコ84
維持するのが大変なのでしょう。
でも新しい何かが ・・・期待しましょう。
newton
ムサシママ
それぞれ趣と個性がありその時の気分によって選んでいました
今は企画で統一されたようなお店ばかりで魅力も何も感じません
情緒と言うものがあちこちで消え失せ寂しいです
kiyotan
今は全てがなくなりポレポレいわきという映画館が一つだけになりました。銭湯も無くなりましたし拠り所のような
場所がなくなっていきます。
フヂ
寂しいですね。以前神保町にもじゃがいも
食べ放題のカレー屋さんがあった気がしますが、
今もやっているのかな…喫茶店では珍しいですね。
kou
Take-Zee
映画館も喫茶店も遠い昔のもののように
思えますね (^-^)!
エンジェル
私は一度くらいしか入ったことがありませんが(^^;
しかも何を観たか全く覚えていません。
喫茶店も併設されていたのですか?それは全く知りませんでした。
八犬伝
名画座には、よく行ったものです。
じゃがいも食べ放題とは、太っ腹ですね。
けせらんぱさらん
入った事はありませんが 2本立てで上映していましたかね
建物は残っているので 今でも昔を偲ぶことはできます
そして 喫茶店も今や絶滅危惧種
画一的なチェーン店のカフェばかりになりつつあります(悲”
そらへい
でも、喫茶併設は気づきませんでした。
近くの喫茶店に入ったりはしていましたね。
斗夢
ありました。中学生になる前に劇場は閉鎖
されましたが、榎本美佐江さんの興行を
見た記憶があります。
わたし
モーニングでトースト食べ放題ならわかりますが。
食べ盛りの頃にはうれしいですね(^-^)
みち
今でも映画は映画館で観たい派です。
どんどんなくなってしまうのが淋しいです。
ジャガイモとコーヒーの組み合わせ、面白いですね。
ライス
映画は映画館へ行くのがいいんですよね。
喫茶店も店主の個性や雰囲気、客層の違いがあるのがいいのですが、
某大手チェーン店には敵わず淘汰されてしまってますね。
喫茶店に限らず、良心的なお店から閉店していくように見えます。
もぐ
悲しいかなここもシネコンと化し、2本立てを朝から2回ずつ見てたなんて時代は遥か彼方になってしましました。
名画座はその映画館によってかかる作品に個性がでるし、喫茶店もしかり。
いろいろなものが画一化されていってしまうのを寂しがるのは、歳を重ねたからかなぁ。
mau
喫茶室はなかったけど、隣のビルに喫茶店があって、初めてナイフとフォークを使ってホットケーキ食べての思い出しました。
kuwachan
ちょっとガマンして名画座で見るというパターンでした。
JUNJUN
今はどんどんシネコンに置き換わって、情緒ある名画座がなくなってしまって、残念です。
ぼんぼちぼちぼち
今回の記事、具体的には殆どのかたが知らない劇場・喫茶店だったにも関わらず、名画座・喫茶店ということで、多くのかたに郷愁を感じていただけて嬉しいでやす。
みなさん仰るように、名画座も喫茶店も、あれは一時代を担っていた立派な文化でやしたよね。
そう、どちらにも、一劇場づつ違う、一店づつ違う個性がありやしたよね。
今現在、どんなに店員さんが丁寧な接客をしてくれても、シネコンや大手チェーン喫茶では、あの個性は出せなく、無味乾燥に感じるばかりでやすね。
まさに、名画座も喫茶店も、絶滅危惧状態でやすね。
なのであっしは、神保町にしばしば行くんでやす。
神保町シアターと神田伯剌西爾と、名画座と昔ながらの喫茶店の二つが揃っているから。
早めに家を出て、伯剌西爾で二時間ばかりシガーをくゆらせ、神保町シアターで60年代の映画を観る、、、至福の一日でやす。
飯田橋ギンレイ、なくなってしまったのでやすよね。
あっしは、ついぞ一度も行くことのなかった映画館でやしたが、とても有名な名画座でやしたね。
邪宗門という喫茶店、どこの街の、だったのでやしょか?気になりやす。
邪宗門の総本山は、国立店で、邪宗門という名を語るからには、店主は手品ができなければならなかったのでやすよ。
何故なら、国立の邪宗門のマスターは、手品師だったから。
邪宗門、あっしは国立店の他には二店しか行ったことがありやせんが、いずれも非日常の空間で、アンティークないい雰囲気でやしたね。
さて、国立スカラ座と併設の喫茶店。
そうでやす。スカラ座があったのは、旭通り。ナカタニ薬局とかの側でやした。
あっしが小学生の時、もぅすでに、古ーくて、客席までトイレの臭いがするような、そんな劇場でやした。
喫茶部は、窓に沿っての横長で、窓があるのにいつも薄暗かったのを、よく憶えてやす。
喫茶店でじゃがいも食べ放題、、、ほんとに珍しいでやすよね。
オーナーが北海道出身、その可能性、ありやすよね。
毎年実家から食べきれないほど贈ってくれるから、店でサービスで出しちゃおう!って。
けっこうしっかり塩味がついていて、何もつけないでも、充分、塩っ気があったじゃがいもでやした。
まあ、あっしもあの頃は食べ盛りだったんでやすね。
普通サイズのじゃがいもを二個食べて、その後レストランで夕食とってたんでやすから。
思い出したいことが殆どなかった中高生時代の、数少ない懐かしい思い出でやす。
mm
名画座、喫茶店・・・ほとんど耳にしなくなった言葉ですね^^
喫茶店って見かけなくなりましたものね。
最後のコーヒーカップとソーサー、素敵。こういう色合いのコーヒーカップで飲むと一層コーヒーが美味しく感じられます。
美美
ぷち
食べ放題なら、小腹どころか大腹まで満たされそうです。
リス太郎
拳客
封切りの映画は高くて観れないが、同じような値段で3本観られるお得感。
昔は確かに色々な街に映画館がありましたよね・・地元では北千住と亀有に小さな映画館があったな。
ヨッシーパパ
カトリーヌ
こういう味のある喫茶店とか古き良き時代にものが
なくなって無機質なものに置き換わるのはさみしいですね。
写真のカップ&ソーサー、とてもステキです♡
しゅん
つぐみ
移り変わるのが常ですね。
中学生の頃から喫茶店に出入りされてブラックコーヒーを飲まれてたことに驚きでした。
いまだにブラックでは飲めない私です^^;
yamatonosuke
ジャガイモ食べ放題は初見では手を出せないかも(笑)
ぼんぼちぼちぼち
あっしのブログを読んでくださってるかたの多くは、名画座と喫茶店が懐かしい世代でやしょうね。
入ったことはなくても、どこの街の風景の中にも必ずあったっていう。
時代が移り変わるのは致し方ないことでやすが、自分にとって強烈に思い出深いものがなくなるのは、やはり寂しいでやすね。喪失感すら覚えやす。
近年は、映画館はシネコン、喫茶店はチェーン店、無機質で画一的、清潔だけど個性がない。
積極的に行きたい場所ではありやせん。
写真のカップは、あっしの記憶が間違っていなければ、神保町のラドリオのものでやす。
ラドリオも、数少なく残る個人経営の喫茶店の一つでやすね。
じゃがいも、今だったら二つで、お腹いっぱいになりそうでやすが、あの頃は食べ盛りだったんでやすねぇ。
そして、中高生の頃って、遠慮っていうのも知らない世代でやすね。
なんの躊躇もなく、初めて行った時から二つづつ食べてた記憶がありやす。
中学生でブラックコーヒー、あっしにとっては普通のことでやしたね。
ブレンドは、色んな飲み方してみて、やっぱりブラックが一番美味しいな、と。
街の小さな映画館の思い出といえば、、、場所は具体的に確認したわけではないんでやすが、
福岡に住んでた小2までの時代、通学路にいつも、ピンク映画のステカンがずら〜っと並んでた記憶がありやすね。
みんな、あまりにも当たり前の光景なので、きゃあきゃあ騒ぐコなんていなかったし、親も文句を言ってる人も、聞いたことがなかったでやす。
緩やかな時代だったんでやしょうねぇ。
sakamono
あったんですね。いいシステムですね。今なら申し訳なくて、
コーヒー2杯くらい飲みそうです^^;。
Rchoose19
うちの方は映画館が町内になかったせいもありますが、
特別な行事みたいなものでしたよ^^;
そうそう土門拳さんの写真展は5月14日までです♪
SGW
ジャガイモ食べ放題の喫茶店のことは知りませんでした。国立の喫茶店では、邪宗門というお店にときどき行きました。
erena
思い出の場所がなくなるのは寂しいですね。
ぼんぼちぼちぼち
そうなんでやすよ、今のあっしだったら、恐縮してコーヒー二杯は飲みやすね。
だけど、バイトの経験すらない中高生の頃は、額面通りに受け取って、平然と食べたいだけ食べてやした。
ぼんぼちぼちぼち
映画を見に行く宿題、毎年あったわけではなかったんでやすが、
確かあっしが小4の時だけ、ありやした。
観に行けば、別に感想文は書かなくて良かったように記憶してやす。
土門拳さんの写真展の期間、教えてくださりありがとうございやす。
これなら、余裕で行けそうでやす。
ぼんぼちぼちぼち
おお!国立の高校に通っておられたのでやすか!
邪宗門は、数多あった喫茶店の中でも、頭抜けて素晴らしいお店でやしたね。
非現実な空間に迷い込んだような内装、メニューにターキッシュコーヒーなどがあったところ、そして何より、マスターの優しく穏やかな接客。
マスターが亡くなった折りには、散歩の達人の喫茶店特集号で、見開き2ページで、国立邪宗門の特集が組まれたほどでやした。
ぼんぼちぼちぼち
へい、思い出深かった場所が、どんどん無くなっていきつつありやす。
国立の街も、当時は中央線独特のカラーのある街で、元ヒッピーのかたのやってる店などもあったのでやすが、今では、大手チェーン店中心の、小奇麗な街となってしまいやした。
yokomi
①小学生の夏休み課題として映画を見る事なんて...私は小中高で一度もそんな課題は有りませんでした(>_<) 行きたかった(^_^;)
②喫茶店でジャガイモ食べ放題なんて....各位に比べたら通う回数は少ないですが、見たことも噂を聞いたことも有りません(>_<) 食べたいっ(^_^;) そんな喫茶店をやってくださいm(_ _)m
市内に映画館がいくつか在ったのですが衰退(>_<) のちにジャスコの中に小さめのが出来たのですが、改築で没。今では全く有りません(T_T)
ぼんぼちぼちぼち
住んでる場所で、街に何があるか、どういう経営形態ができるか、大きく違ってきやすもんね。
国立市は、東京でも西の緑の多い、ごみごみしてない街なんでやすが、
昔は喫茶店がすごく多かったでやすね。
中央線沿線なんでやすが、あのあたりは、元ヒッピーの経営してる店もあったし。
今よりセコセコしてなかった時代というのも、あったのでやしょうね。
交互操作
ぼんぼちぼちぼち
モアという店名だったのでやすね!
しかも、御殿場にも支店があったとは、、、!
ということは、スカラ座の経営ではなかったのでやすね。
貴重な情報をありがとうございやす。ぺこりっ